DLC以外の全部のシナリオで生存した。最後の三つぐらいはもう安定してクリアできるパターンがわかってしまったので、最終盤が暇で暇で、という状況になってしまった。ねずみ肉のスープを啜る日々。兎にも角にも遊び尽くすにつれて、なんだかこのゲームには実に特別な思い入れを持つに至った。
子供のころ、FFシリーズをプレイした。如何にもな思春期にFF3から6で遊んで、そのストーリーに世界観に魅せられてどっぷりと感情移入した。あの感じ。そういうRPGは高校生ぐらいでやらなくなったので、あのゲーム画面に神妙に相対する懐かしい感じがこのゲームにはあった。チョコボがそこらに居たら楽しかろうなあ♪という素直な感情移入が、このゲームにあった。
明日の朝には惨めな死体となってそこらに転げられ、モザイクをかけられることもなく「現地の様子」として発信されてしまうような哀れな戦時下の人々を、どうにうかして生存させたいという感情が沸々と湧き上がってきた。なんでだろうか。前にも書いたけど、実際の戦時下など知らない。体験したことないし、願わくは死ぬまで体験のないことを望む。しかし現実世界には実に多くの人々がこのような過酷な環境下にある。そういう人たちに対し、やはり憐みの感情というものがあるものだ。その感情がするりとこのゲームプレイ中にやってくる。
助けを求めてドアをたたく人を無視したり、一緒に物資を奪わないかと持ち掛けられたり。老婦人の家から貴重な物資を奪ってくれば仲間は鬱を発症して死んだり…。
ゲームというコンテンツとして長く長く楽しめる作品ではない。実際もうやらないだおるし。だけど、これは人生において指折りの傑作であり、最も印象深いゲームの一つです。マジで堪能しました。
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